旅館の仕事は、部屋・風呂・料理・お土産を売ることではない
2016.11.21(月)
朝起きると先ずサプリメント。
しじみエキスを濃縮したものと、梅肉の濃縮したものと、DHAと、ビタミンC。
朝から飲みにくいのですが、うちは美味しい湧き水が蛇口から出るようになってるので少したすかります。
あ、僕の健康的な朝食の話しはどうでもよかったですね。
おはようございます。山代温泉 宝生亭 の帽子山です。
さて、僕たちは旅館を売る商売じゃないって話です。
どこから遡ってお話しをすれば分かりやすいのでしょうか?
実は、僕は第30回 郵政 全日本DM大賞のグランプリなんです。
いきなり「なんです」と言われても困るかと思われますが、そうなんです。
過去のグランプリには電通・博報堂・資生堂・BMWなどなど、かなり歴史と権威のある賞でして、それの30回目のグランプリが僕って訳です。
はい。意外ですよね。自分でも意外です。
で、どんなDMを出したらそんな事になるんだ?って話しですが、こんなDMをお客様に出していますって事を本日お泊りの常連様の岡崎様がブログに書いて、ツイッターに投稿してくれました。
やっと、念願が叶ったよ〜。
ぼっちのお宿に社員旅行で来ました。
さて、これから宴会です。楽しそー^ ^
あ、そうそう、このお宿、昨年の全日本DM大賞のグランプリを獲得したんです!#丸安毛糸社員旅行 https://t.co/HGILYiA2cr— 老舗ニットメーカー社長岡崎博之 (@okazakimaruyasu) November 18, 2016
カンタンに言うと、
「今まで宝生亭を支えてくださった大常連様の68名様に感謝の気持ちを籠めて、宝生亭のスタッフと同じデザインのバッジを金バッジで贈呈。常連様はこの金バッジを付けてご来館ください!表彰させて頂きます!」
そんなDMでした。
実際に68名に絞り込む事が出来なくて100名様になったのですが、指定の期間中に86組のお客様が宝生亭に帰って来て下さいました。
岡崎様は僕ら夫婦が宝生亭の再生を手掛けるという時に、めちゃくちゃお世話になったお客様の一人です。
旅館の仕事は部屋・風呂・料理・お土産を売ることじゃない。なんて言ってますが、じゃあ何を売る仕事なのか?
僕が考えるのは、大切な人と喜び合う時間を売る、そういう事だと思います。
そのために、料理があったり、お酒があったり、部屋があったり、露天風呂があったり、心地良いサービスがあったり、要するに旅館という舞台があるだけ。
結果として旅館に来て頂いてお金を使ってもらうのですが、旅館やその部屋・風呂・料理・お酒・お土産を売っているつもりは無いです。
僕が売りたいことは、大切な人と喜び合う時間ですから、めっちゃ旅館の枠から飛び出しちゃいます。
例えば、お客様に
「美味しいカニを食べたい」と言われれば、自分の旅館で提供する事を考えると同時に外の美味しいカニ料理屋さんも提案するし、
「特産品や銘菓を買いたい」と言われれば、自分の旅館に無いか?と考えると同時に、外のお店を提案するし、
「2次会で女の子がいる楽しいお店はないか?」と言われれば、館内で消費してもらうのが嬉しいけれど、やっぱりお客様のためを思って外のお店にご案内しちゃいます。
大切な人と喜び合う時間を提供するためには、その旅の道中で自分の旅館だけではなく、ちゃんと質の高いサービスや商品を持っているお店や人にちゃんと力を貸して頂く。
それが僕の旅館という仕事の考え方です。
株式会社丸安毛糸の皆様には2泊3日で、和倉温泉の寿苑と山代温泉の宝生亭のうちのグループの2館に泊まって頂いて、石川県を縦断してもらいました。
石川県には面白い観光地がヤマほどあるので、たった2泊で色んな所を周るのは大変ですが主だった名所を周るとしたらこんな感じ。
宝仙閣グループは旅館だけでなく観光バス事業部や旅行会社も持っているので、独自にこういうバスツアーも組めます。
僕も途中から旅行に合流させて頂いて、ちょこっと観光案内やグルメの説明なんからもさせて頂いたのですが、楽しかったなぁ。
今まで仕事をしてきた中で一番楽しかったと思います。
旅館の仕事は旅館を売ることじゃない、買っていただくのは大切な人と喜び合う時間。
もちろん大切な人と喜び合うのはお客様がする事で、僕がどうこう出来る事ではありません。
でも、その場所やシチュエーションなど旅館という舞台を用意して盛り上げる事はできます。
丸安毛糸ご一行様の社員旅行はめっちゃ楽しかったです!もちろん丸安毛糸の社員皆様が元々楽しい人達で、社員旅行を心から楽しみにしてて、その場に僕がいただけだけなのかもしれません。
でも2泊3日のうちの1泊を一緒にいさせて頂いて、つくづく、僕が売りたい事ってこういう感じなんだなって深く刺さりました。
だって、めっちゃ美味しそうにご飯を食べたり、めっちゃ楽しそうに宴会をしたり、熱出して東京に強制送還された人がいたり(笑)
そして何より、岡崎社長がそんな社員を自慢げに嬉しそう見ていた。
僕のえもいわれぬ喜びと満足感は、そういう姿を目でも心でも見たからです。
心の底から沸々と上がってくる満足感があります(^^)
岡崎社長、丸安毛糸の皆さん、楽しい社員旅行をありがとうございました!!